国民生活センターは、昨年(2006年)の秋頃から「ロコ・ロンドン貴金属取引」「ロコ・ロンドン保証金取引」といった名称の取引について、「契約したが、大丈夫か」「取引をしたところ損をした」などの相談が寄せられはじめたことから、被害の拡大を未然に防ぐために、トラブルの実態と注意点の情報提供を開始した。
相談事例をみると、70歳代〜80歳代の高齢者が取引の仕組みを理解できないまま、100万円以上の高額なお金を投資し、トラブルに巻き込まれているケースが多くみられる。なかには、「投資したお金のほとんどが戻らなかった」という深刻な被害もある。相談事例としては「70歳代の高齢者が、たった2日で100万円以上の損」「執よう・強引な電話勧誘を受け、借金までして取引したが、150万円も損」などがあげられている。
「ロコ」とは「…において」「…渡し」といった意味で、したがって、「ロコ・ロンドン金取引」とは「ロンドンにおいて金を受け渡しする取引」という意味。相談事例をみると、消費者が「金の現物が手に入る」と理解しているケースが目立つ。しかし、実際には、金の現物の取引ではなく、消費者が業者に証拠金(保証金)を預け、業者がその証拠金をもとに、証拠金の何十倍もの取引を行う「証拠金取引」となっている。
ロコ・ロンドン金取引は証拠金取引であるため、ロンドン市場の金価格が期待どおりに変動した場合には大きな利益を得られるが、予想に反した場合には大きな損失が発生し、また、損失が最初に支払った証拠金を上回るおそれがある。また、消費者はロンドン市場の金価格や為替相場の動きを見ながら、売買の決断をする必要があるほか、注文どおりに取引が行われているのか、さらには、取引自体が本当に行われているのか確認することは極めて困難となっている。
ロンドン金市場は「海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律」で政令指定されておらず、また、ロコ・ロンドン金取引は先物取引ではないため、同法の適用を受けない。この他にもロコ・ロンドン金取引を規制する法律はなく、クーリング・オフ制度のように消費者が一方的に申込みの撤回や契約の解除をすることは難しい。
また、「ロンドン市場において、(国内の商品取引員にあたる)資格を有している」と説明する業者もあるが、通常、ロコ・ロンドン金取引は、ロンドン金市場で実際に取引が行なわれているわけではなく、「ロンドン市場の金相場の価格を使った取引」であることにも注意が必要。「ロコ・ロンドン金」のほかにも、「ロコ・ニューヨーク金」など「ロコ・△○△○△」という名称の取引に関する相談がみられる。これらの取引もロコ・ロンドン金取引と同様に非常にリスクの高い取引で、注意が必要とされている。
同センターでは、ロコ・ロンドン金取引について「取引の仕組みが分からなければ、絶対に手を出さないこと」「取引するつもりがないのなら、はっきりと断ること」「金の現物は手に入らない」「利率の良い預貯金のようなものではない」というアドバイスを消費者へ行っていくとしている。
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