厚生労働省は、在宅知的障害児(者)の生活の実状とニーズを正しく把握するための「2005年度知的障害児(者)基礎調査」の結果の概要を公表した。
調査結果によると、2005年11月現在、全国の在宅知的障害児(者)は、419,000人と推計される。内訳は、在宅の知的障害児(18歳未満)は117,300人、知的障害者(18歳以上)は289,600人と推計される。なお、12,100人の年齢不詳の人があった。
障害の程度は、「最重度」「重度」が39.3%、「中度」「軽度」は48.8%となっている。18歳未満の「最重度」「重度」は42.7%、「中度」「軽度」は50.8%、18歳以上の「最重度」「重度」は39.2%、「中度」「軽度」は49.0%となっている。
保健面では身体的健康に厳重な看護が必要な「1度」が3.9%となっている。行動面では行動上の障害が顕著で常時付添い注意が必要な「1度」が7.8%となっている。
生活の場の状況は、「自分の家やアパートで暮らしている」が、85.7%となっており、地域における生活の場の大部分を占めている。18歳以上でみると、「グループホーム」が前回から3.5ポイント増えている。
生活同居者は、「親、兄弟姉妹と暮らしている」は42.1%、「親と暮らしている」は34.3%となっており、親等の家族と暮らしている人は76.3%となっている。18歳以上では、「ひとりで暮らしている」が5.6%、「夫婦で暮らしている」が3.1%となっている。
将来の生活の場の希望は、「親と暮らしたい」「兄弟姉妹と暮らしたい」が合わせて38.5%となっている。「夫婦で暮らしたい」が12.9%、「グループホーム」が12.8%、「施設」が7.5%となっている。前回と比較すると、「親と暮らしたい」「施設」等が減少しているのに対し、「ひとりで」「グループホーム」が増えている。
日中活動の場の状況は、「就学前」では「自分の家」が35.9%、「就学」では「障害児のための学校」が55.4%となっている。「卒業」している人では、「作業所」「通所施設」が合わせて46.1%、「自分の家」が25.0%、「職場・会社」が17.5%となっている。
将来の日中活動の場の希望は、昼間の過ごし方について翌年における希望を聞いたところ、「就学前」では「自分の家」が30.4%、「就学」では「障害児のための学校」が55.1%となっている。「卒業」後は、「作業所」「通所施設」が合わせて43.9%、「職場・会社」が25.4%、「自分の家」が20.6%となっている。
学校を卒業予定と卒業している人の現在の状況と将来の希望を比較してみると、現在「自分の家」と回答している人のうち25.5%の人が「職場・会社」「作業所」等、外での活動を希望している。また、現在「自分の家」の人のうち14.4%、「作業所」「通所施設」の人についても約10%の人が、「職場・会社」での一般就労を希望している。
ひとりでの外出状況をみると、「よく出かける」「時々出かける」が合わせて35.5%。だれかとの外出状況を見ると、「よく出かける」「時々出かける」が合わせて72.3%だった。
地域活動への参加状況は、「よく参加する」「時々参加する」が合わせて25.9%で、「ほとんど参加しない」「参加したことはない」が合わせて67.5%だった。
地域活動不参加者の地域活動の参加希望状況は、「わからない」が36.2%となっているが、「機会や場所があれば」参加したいが36.2%。また、地域活動不参加者のうち、「いっしょに行ってくれる人がいれば」参加しやすいと答えた人が、32.9%だった。
学校を卒業している人の日中活動の場別に、地域活動への参加状況をみると、「自分の家」にいる人のうち、「ほとんど参加しない」「参加したことはない」が合わせて80.0%だった。
相談相手は、18歳未満では、「親、祖父母」72.3%、「会社の人・学校の先生」43.2%、「医師」21.7%の順となっている。18歳以上では、「親、祖父母」62.3%、「施設の職員・グループホームの世話人」38.1%、「兄弟姉妹」30.8%の順。
福祉行政などに期待することは、前回と同じく「障害者に対する周りの人の理解」が42.1%と最も多く、次いで「必要な時に施設を利用できる制度」「経済的援助」「相談や指導」となっている。
働く場所や生活する上で期待することは、「老後の生活」38.8%、「働く場所」33.4%、「通所施設」24.6%の順になっている。
いやな思いや差別の有無は、「いやな思いがある」が前回調査時の56.9%より21.5ポイント減少しているが、依然として35.4%の人が「いやな思いがある」としている。「いやな思い」の内容を聞いたところ、「じろじろ見られる」「サービスを拒否される」等、視線や態度に関するものが多いが、直接、「差別的なことを言われる」というような内容のものもあった。
一般就労や福祉的就労など、仕事をしている人は全体の37.5%で、そのうち業務内容をみると、「作業所」が56.5%、「製造・加工業」が15.7%、「農畜産業、林業、漁業」が3.9%となっている。
就労形態は、「作業所」の58.3%に次いで、「正規の職員」が15.7%となっている。一日の実働時間(残業を含む)は、「4時間から6時間まで」が44.7%となっている。1か月の就労日数は、「16日から20日まで」が46.1%、「21日から25日まで」が36.6%となっている。1ヶ月の給料をみると、5万円までが全体の67.3%になる。就労形態別の給料をみると、正規の職員・臨時雇として雇用されている人は「7万円〜10万円まで」が26.1%と最も多く、作業所で働いている人では「1万円まで」が70.7%と最も多い。
手当・年金の受給者は、69.4%となっている。手当・年金を受給していない人の理由としては、「障害が軽いため」が50.3%となっている。手当・年金受給者の手当・年金の種類をみると、20歳未満では「特別児童扶養手当」が87.7%、20歳以上では、「障害基礎年金」が89.7%となっている。
都道府県・市区町村独自の手当・補助受給者は全体の7.2%で、20歳未満では「5万円まで」が72.1%、20歳以上では、「5万円まで」が59.5%となっている。
親元から離れて生活している人は全体の12.0%で、そのうち親元からの仕送り額をみると、20歳未満では「仕送りなし」が85.0%、20歳以上では、「仕送りなし」が79.5%となっている。
診断・判定を受けた時期は、「出生直後」から「小学校に入る時」までに、全体では52.6%、18歳未満では79.0%の人が「診断・判定を受けた」となっている。診断・判定を受けた機関は、「児童相談所」が38.5%、「病院」が29.0%の順になっている。
療育手帳の有無をみると、91.0%の人が、療育手帳を所持している。療育手帳所持者の程度別の状況を見ると、「最重度」8.9%、「重度」34.3%、「中度」37.2%そして「軽度」は13.1%となっている。療育手帳の取得年齢は、18歳未満の児童では、4歳までに54.9%の人が手帳を取得している。療育手帳不所持者の主な不所持理由をみると、18歳未満では「そのほか」が56.9%、18歳以上では「制度を知らない」が47.6%となっている。
身体障害の種類は、在宅知的障害児(者)の全体の17.1%が身体障害者手帳を所持している。そのうち、身体障害の種類をみると、「肢体不自由」が68.5%と最も多い。
身体障害者手帳の等級をみると、1級と2級を合わせて68.7%となっている。知的障害の程度別に見ると、最重度の人は、身体障害者手帳の1、2級が87.4%、重度の人は、1、2級が66.3%となっている。
「てんかんがある」人は、在宅知的障害児(者)の11.3%となっている。「統合失調症、そのほかの精神疾患がある」人は、在宅知的障害児(者)の3.2%となっている。「自閉症がある」人は、在宅知的障害児(者)の9.3%となっている。
精神保健福祉手帳所持状況は、「精神保健福祉手帳を所持している」人は、在宅知的障害児(者)の1.7%となっており、そのうち1級が25.0%、2級が41.7%となっている。
「精神障害者通院医療公費負担決定を受けている」人は、在宅知的障害児(者)の6.8%となっている。
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