ユニ・チャーム株式会社生活科学研究所は、神戸大学発達科学部と共同で、大人用パンツ型オムツに関して、高齢者の体型や歩行動作に適応した「はき心地」の向上に関する研究を実施した。
加齢とともにだれにでも起こりうる“尿失禁”。今後は、元気な高齢者が下着感覚で使用できる「はき心地の良い」パンツ型オムツの需要が見込まれる。従来の大人用パンツ型オムツは、その「はき心地」の改善に向け、胴回りのフィットギャザー部や、尿を吸収する吸収体部の改良を中心に行われてきた。しかしながら、これまで「はき心地」に関して科学的に研究されることはなかった。
同社は、大人用排泄ケア用品のリーディングカンパニーとして、パンツ型オムツの「はき心地」の良さを科学的に検証するため、神戸大学との共同研究を実施。高齢者の体型や歩行動作を考慮した主観評価試験と、オムツ部位と素材適正を3次元DLT法とKES評価を用いて検討した。
3次元DLT(Direct Linear Transformation)法は、三角測量の原理に基づき、2台以上のカメラを用い多方面から計測したマーカーの位置を三次元座標に再構築する方法。一般には生体工学または人間工学の研究に用いられている。いっぽう、KES(Kawabata's
Evaluation System)評価は、日本繊維機械学会が中心となって開発された繊維計測システム。下着や洋服などテキスタイル素材の特性評価に用いられている。
検討の結果、パンツ型オムツの「はき心地」の良さは、フィットギャザー部や吸収体部よりも、その中間に存在するお尻のあたる部分(三角ゾーン)の肌の動きに対する追随性、すなわちフィット性が重要であることを解明した。また“三角ゾーン”のフィット性を確保する材料の特性として“伸縮性”が重要であることを見出した。
この研究成果は、今後の下着感覚のパンツ型オムツの製品化に役立てるとともに、今年の日本家政学会(5月、場所:岐阜)、日本繊維製品消費科学会(6月、場所:東京)にて発表する予定としている。
マネキン肌とパンツ型オムツ表面の最大移動量

「はき心地がよい」と相関のある部位

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