三井物産株式会社は有料老人ホームなど高齢者施設を投資対象とする不動産ファンド事業に参画した。120億円規模でファンドを設立し、3年から5年後には不動産投資信託(J-REIT)への転換も視野に入れる。オフィスビルやマンションの取得競争が激化する中、物流施設ファンド事業に次ぐ専門分野に特化したファンド事業への参画によるビジネス機会を創出する。
ファンドは主に有料老人ホームなどの不動産を購入し介護事業者などに貸出す。文京区、品川区の介護付有料老人ホームのほか、大手介護事業者のオフバランスにかかる複数物件を取得することにより当初は合計50億円程度にてスタートし、120億円規模への拡大を計画している。複数の介護事業者が運営する物件取得を見込んでおり、高齢者向け住宅やクリニックなども組入れた本格的なファンドとなる。すでに、新規開設案件やリースバック案件の相談が持込まれており、資産規模を300〜500億円程度へ積上げた後には不動産投資信託(J-REIT)への転換を目指す。
ファンドによる介護事業者の選定を含む案件発掘は、介護系特化型ファンド運営会社であるリエゾン・パートナーズと提携。介護事業者の財務内容や事業戦略・地域戦略を評価することは勿論だが、施設長インタビューや入居者の満足度調査なども行い「介護サービスの質」そのものを精査して投資機会を発掘する。また、万が一介護事業者が破綻した場合に備え、各物件に代替事業者(バックアップオペレーター)を選定するので、入居者にとって介護サービスの安心感が高まることとなる。
同社としては、物流施設ファンドに次ぐ特化型ファンドを目指すことになる。米国ではすでに一般化しているが、日本におけるREIT市場では「ヘルスケア施設特化型」は未だ存在しないので、大きな期待が寄せられている。また、介護関連分野では、国や自治体が財政難の様相を呈すいっぽうで、事業者の資金需要は高まっている中、こうした分野の資金需給を埋める機能を提供するビジネスは、意義が有ると判断した。
出資は、同社(出資比率は18.75%(ファンド設立時))のほか、不動産リースや医療モール組成でも実績のある三井リース事業、設備関連会社の新日本空調、と独立系ファンドであるエムケーキャピタルマネージメント(MKCM)(同49.5%)も共同投資する。なお、同出資はドイツ証券が取扱った。
エムケーキャピタルマネージメントは、マザーズ上場の独立系不動産投資顧問会社。中小規模のオフィスビルや住宅を中心に約九百億円超の資産を運用する。リエゾン・パートナーズは、野村証券グループから独立した、介護系高齢者住宅の特化型ファンド運営会社。すでに百十億円規模のファンド投資実績を持つ。
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