HSBCグループが実施した第3回目の高齢化と退職後の生活に関する過去最大規模のグローバルな年次調査、「退職後の生活」によると、高齢者は社会にとって負担となるどころか、それぞれの国で経済的・文化的に多大な貢献をしていることがわかった。オックスフォード大学のオックスフォード・インスティチュート・オブ・エイジング(The
Oxford Institute of Agening)と共に実施した「退職後の生活」調査プロジェクトは、日本人1,000名を含む、21の国と地域に居住する40才から79才までの2万1,000人を対象としたもの。
調査では高齢化の進んでいる国々で介護などの問題から、高齢者が社会にとって負担となっているという通説が誤りであることが明らかになった。また、実際には、60代と70代の人々は、納税、ボランティア、家族の世話などを通じて国の基盤となっていることがわかった。
世界各地で、60代以上の大半の人々が仕事に就いている。成熟した経済では、60代の5分の1から半数の人々が仕事を続けている。発展途上にある国でさえ、60代と70代の多くが活発に労働市場の一端を担っている。
日本では、60代の人々の41%がパートタイムまたはフルタイムで働いており、60才以上の推定770万人がなんらかの形で雇用されている。これは、年間で111億時間の労働と1兆8,000億円超の税収に相当すると推定される。また、60代の人々の半数以上(54%)が可能な限り働き続けることを希望している。
この調査では、世界で60代と70代の人々の1/5(19%)がボランティア活動に参加しており、そのうちの半数以上(56%)、全体から見て1/6(15%)の人々が毎週半日以上をそれらの活動に費やしている。日本では60才から79才までの人々の25%がボランティア活動に参加し、年間16億時間の貢献をしている。
また、この調査によると、先進国ではドイツを除き早期に退職する傾向が減少していることが分かった。人々は必要に迫られてではなく、自ら働き続けることを希望している。世界全体では、調査対象者の71%が現在仕事に就いており、早期退職よりも働き続けることを自分から望んでいる。日本では、60代の77%が働き続けることを希望している。
世界的に高齢者は財政面、実務面、あるいは介護などまでも、受ける場合より自分が提供する場合の人が多いことが分かった。たとえば、財政的支援を行っている人々のうち16%を占める60代、また1/3近くを占める70代が財政的に孫を支援している。日本では、この調査実施前の6ヶ月間に友人や家族から財政支援を受けていたのは60才から79才までの人々で7%にしか過ぎないが、財政支援を提供していた人々は26%に上った。
現在の70才の人々は、昔の世代であれば50才の時に送っていたような生活を楽しむことが可能。60代、70代の大半の人々は自分が健康だと感じており、生活上で注意しなければならない点や人生の質という面で、40代や50代の人々との違いはほんの僅かなものだった。
先進国では、60代の3/4(75%)は健康状態が良好または非常に良好だと感じている。70代で健康な人々が最も多いのはカナダで(76%)、これに英国(73%)、米国(72%)が続く。日本では、70代の回答者のうち58%が、健康状態は「良好」または「非常に良好」と感じていた。
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