マイクロソフト株式会社、中部国際空港株式会社、日本信号株式会社や、株式会社ADEKA、株式会社エージーピー、王子製紙株式会社、トッパン・フォームズ株式会社、マイティカード株式会社、株式会社モバイルメディアネットが法人会員として参加している、WYSIWYASナビゲーションコンソーシアムは、高齢者や障害者などの旅行者が、空港内で不安を感じることなく移動できる新しいナビゲーションシステムを開発し、中部国際空港(セントレア)で試験的導入を行う。
WYSIWYASナビゲーションコンソーシアムは、What
You See Is What You Are Suggested(見たままお進みください)というコンセプトに基づく、直感的なナビゲーションシステムの研究、開発を行う産学連携のコンソーシアム。
同システムは、マイクロソフトのWindows Mobile
5.0を搭載した端末を利用して開発されたもので、内蔵のカメラで撮影したタイルカーペットの色のパターンで、現在地を把握し、目的地までの案内を、音声のガイダンスやディスプレイへの矢印表示などで行うもの。
中部国際空港は、セントレアにおけるユニバーサルデザインの推進、旅行者の利便性の向上のための一方策として、同システムを試験的に導入する。今回の試験的導入では、旅客ターミナルビル3階の出発ゲートエリア(旅客以外の立入りは制限されている)通路部分に敷設してある日本の伝統色を使ったタイルカーペットのパターンを利用する。
同システムは、案内板の表示だけでは、目的地にたどりつくことが困難な高齢者等に便利で、音声ガイダンスを利用することにより、視覚障害者にも有効。施設側は、タイルカーペットを敷設するだけで、システムに対応することができ、特別な工事や改修が不要で低コストで導入が可能となる。
また、すでに普及している携帯端末を利用することにより、特別な機器の開発や導入が不要で、タイルカーペットのパターン情報や、空港のカウンターやゲート、レストランやショップ、交通アクセスなどの情報は、あらかじめダウンロードすることにより、携帯電話の電波の届かない場所でも利用可能となる。今後は公共施設や大型商業施設などでの活用も期待されている。
今回のシステムは、Windows Mobile 5.0を搭載した株式会社ウィルコムのW-ZERO3シリーズ上に、マイクロソフトの.NET
Frameworkをベースにしたアプリケーションとして実装されており、Windowsプラットフォームの優れたユーザビリティ、開発生産性の高さを証明している。Windows
Mobile対応システムの開発は今年4月で完了し、今後は、他のプラットフォームへの移植も検討している。また、日本信号は、開発段階でテスト用の機材の一部や施設の提供を行った。
W-ZERO3[es]による実験の様子(予備実験)
![写真:W-ZERO3[es]による実験の様子(予備実験)](070629-a1.jpg)
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