株式会社矢野経済研究所は、「福祉車両・シニアカー市場の現状と展望2007年版」を発売した。福祉車両に関わる製造・販売・流通に関わる事業者へのインタビューと、法人・個人ユーザーと地方自治体へのアンケートを実施し、現状における需要ついて明らかにした。
将来的な超高齢化社会到来の予測とそれに伴う政策面での整備が進み、高齢者、障害者等の移動制約者のモビリティーニーズが顕在化してきた。それに対して福祉車両市場では、自動車メーカー等の製造事業者によるスロープ式車いす移動車、回転・昇降シート車等の画期的な機能提案、ディーラーや福祉車両専門店などの販売事業者による認知度アップ、福祉車両購入を側面支援する行政等による助成措置によって、福祉車両市場規模は拡大してきた。
しかし、2003年以降は40,000台強で需要は横這い状態にあることから、現状の福祉車両ラインナップに対するユーザーニーズの顕在化はひと段落しているとみられる。福祉車両に対する潜在ニーズは、ユーザー調査の結果をみると実際の需要に比べて高く、今後、福祉車両の普及拡大の為には、新たな機能提案やニーズの細分化、より一層効果的かつ効率的な販売方法、社会環境の実勢に合わせた助成措置等、個人・法人ユーザーのニーズを如何に製品、販売方法、助成措置へと反映していくかが課題となる。
福祉車両市場の個人需要については、総人口に占める高齢者人口比率が高まると共に、日本のモータリゼーションの歴史からみて、自動車利用経験が多く比較的モビリティーニーズが高いと思われる高齢者の割合が増えていく。その為、高齢者本人が運転する自動車の需要はある程度見込めるものの、高齢者を乗せる介護式福祉車両の需要は大きく伸びず、高齢者人口比率の高まりに伴った需要増にとどまると推定。
障害者の潜在的なモビリティーニーズを一層活性化させる形で、自動車メーカーによる自操式福祉車両の新機能提案がなされ、当該カテゴリーにおける需要については、規模は小さいものの市場拡大が見込まれる。
いっぽう、法人需要については、2006年12月施行のバリアフリー新法に基づく「移動等円滑化の促進に関する基本方針」において、福祉タクシー台数を2010年までにほぼ倍増するという目標が掲げられた為、軽自動車のスロープ式福祉車両について法人需要が拡大すると推定。また、介護事業者、一般事業者に対する助成措置の見直し・強化が実施された場合に、法人における代替需要・増車需要が一定のサイクルで発生すると推定される。
リース・レンタカー事業者においては、ユーザーへの提案強化、PR強化によって利用拡大を図り、リース・レンタカー事業者、福祉車両関連事業の双方における事業者メリットが高まることにより、自動車保有が大きな負担となる個人ユーザーのニーズや、法人ユーザーごとの個別に異なるニーズに応える形で需要は拡大すると推定される。
新技術の開発と新機能提案については、自動車メーカーと系列企業における開発リソースの中から、福祉車両の新機能へと活用される新技術や既存技術によって、現状の福祉車両カテゴリーが細分化され、ユーザーニーズの顕在化による市場拡大の可能性があると推定される。
これらの要因が高い確率で福祉車両市場に影響した場合(高位予測)、福祉車両市場規模は、2006年時点の40,369台に対して、2015年には61,100台、2020年には79,600台と予測した。「福祉車両・シニアカー市場の現状と展望2007年版」の税込定価は157,500円となっている。
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