国民生活センターは、深刻化する高齢者の消費者被害を未然に防止するため、2007年9月に「高齢者金融取引110番」を2日間実施し、その結果を公表した。
国民生活センターと、「高齢者被害特別相談」を共同実施した8都県市で受け付けた「高齢者の金融取引に関する相談」は59件だった。契約内容をみると、未公開株、投資組合等への出資、ロコ・ロンドン金取引など利殖関係の相談が多かった。そのほかには、保険・共済、多重債務・サラ金などのトラブルがあった。
利殖関係の相談では、家庭への訪問販売や電話勧誘販売が取引のきっかけとしてみられる。こうした勧誘のほとんどは、高齢者が希望していないにもかかわらず、事業者が一方的に勧誘を行う「不招請勧誘」。また、契約金額の平均額をみると、いずれも数百万円と高額だった。
契約者の性別をみると、男性21件、女性38件だった。年齢は、60歳代が23件、70歳代が31件、80歳代が4件、90歳代が1件だった。
契約内容をみると、未公開株(14件)、投資組合等への出資(8件)、ロコ・ロンドン金取引等(6件)など利殖関係の相談が多く寄せられた。そのほかには、保険・共済(10件)、多重債務・サラ金(9件)などの相談がみられた。
販売方法をみると、訪問販売がもっとも多く(24件)、店舗購入(13件)、電話勧誘販売(12件)だった。契約金額が100万円を超える契約は27件あり、1000万円を超える契約も7件あった。平均契約金額をみると、523.9万円と高額だった。
未公開株、投資組合等への出資、ロコ・ロンドン金取引などの相談の特徴をみると、家庭への訪問販売や電話勧誘販売が取引のきっかけとしてみられる。こうした勧誘のほとんどは、高齢者が希望していないにもかかわらず、事業者が一方的に勧誘を行う「不招請勧誘」で、「営業員が優しく接してくれた」「契約を取れない営業員が気の毒だった」といった理由で契約をした高齢者もいる。
営業員による元本割れ等のリスクの説明が不十分なため、高齢者は「リスクがある」との認識はしているが、ほとんど理解していない。「断れずに仕方なく契約をした」という相談もみられるが、多くの高齢者は「お金を増やしたかった」「他の金融商品に比べて、良い話だと思った」という理由で契約してしまっている。平均契約金額をみると、未公開株367.4万円、投資組合等への出資656.9万円、ロコ・ロンドン金取引等476.3万円と高額だった。
保険・共済などの相談の特徴をみると、数年から数十年前に契約した医療保険・特約に関して「保険金・給付金が支払われない」という相談が多い。原因としては、勧誘・契約時や契約後の説明が不十分なため、保険会社が実際に保障する内容と、高齢者が期待する保障内容とに大きなズレが生じていることが考えられる。
国民生活センターでは、「特定商取引に関する法律施行令の改正(7月15日より施行)によってロコ・ロンドン金取引等の仲介サービスが、金融商品取引法(9月30日より全面施行)によって投資組合等への出資が、集団投資スキームとして規制対象となった。規制対象となる金融商品を横断的に広げるなど、消費者保護ルールが整備されつつあるいっぽう、高齢者を狙った金融トラブルは依然として多くみられるので、今後も十分に注意して契約することが必要」としている。
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