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高齢者虐待に関する通報、施設から306件、家庭から18393件

−厚生労働省、「2006年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」−

2007/10/19(Fri.)

大人の青汁
 厚生労働省は、「2006年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果を公表した。

 2006年度、全国の1,829市町村で受け付けた養介護施設従事者等による高齢者虐待に関する相談・通報総数は273件で、相談・通報者の内訳は、「親族」が24.5%と最も多く、次いで「当該施設職員」が23.1%、「当該施設元職員」が10.6%だった。なお、「本人による届出」は4.0%だった。

 相談・通報総数273件のうち、訪問調査(介護保険法または老人福祉法に基づく立入検査等を含む)等により事実確認を行ったのは240件で、そのうち、「虐待の事実が認められた」または「都道府県と共同して事実の確認を行う必要がある」との理由により市町村から都道府県へ58件の報告があった。

 市町村から報告があった事例のうち、施設・事業所の種別をみると、「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」が36.2%と最も多く、次いで「介護老人保健施設」が19.0%、「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」が15.5%だった。

 虐待を行った養介護施設従事者等の年齢は「40歳未満」が半数以上で、職種では「介護職員」78.9%、「看護職員」8.8%の他に、「管理者」「施設長」と「開設者」が合わせて12.3%と10%強だった。

 虐待の種別・類型をみると、「身体的虐待」が72.4%と最も多く、次いで「心理的虐待」が41.4%、「介護等放棄」が10.3%だった。

 対応状況等をみると、市町村から都道府県へ報告があった事例58件のうち、市町村からの依頼または都道府県の判断により一部の事例について改めて事実確認を行った結果、最終的に「虐待の事実が認められた事例」が48件、「虐待ではないと判断」または「虐待の事実が確認できなかった」が合わせて10件だった。

 「虐待の事実が認められた事例」48件では、都道府県または市町村による介護保険法または老人福祉法の規定による権限の行使として、「報告徴収、質問、立入検査、指導」が45件行われたほか、人員、設備と運営に関する基準等が遵守されていないことに伴う「改善勧告」「改善命令」「指定の停止」が各1件行われた。

 市町村から都道府県へ報告があった58件のほかに、都道府県が直接、相談・通報を受け付けた事例が33件あった。「後日、事実確認予定または対応検討中」の7件を除く26件について都道府県が単独または市町村と共同で事実確認を行った結果、「虐待の事実が認められた事例」は5件で、これらに対し、介護保険法の規定による権限の行使として、「報告徴収、質問、立入検査、指導」が2件行われたほか、人員、設備と運営に関する基準等が遵守されていないことに伴う「改善勧告」が3件行われた。

 法第25条の規定による都道府県における養介護施設従事者等による高齢者虐待の状況等の公表については、2007年8月31日現在で24都道府県が実施済みだった。

 養護者(高齢者の世話をしている家族、親族、同居人等)による高齢者虐待についての対応状況等をみると、2006年度、全国1,829市町村で受け付けた養護者による高齢者虐待に関する相談・通報総数は、18,393件だった。

 相談・通報者は、「介護支援専門員・介護保険事業所職員」が41.2%と最も多く、次いで「家族・親族」が13.2%、「被虐待高齢者本人」が11.9%だった。

 相談・通報総数18,393件のうち、91.1%に当たる16,751件で訪問調査等の方法で事実確認が行われ、市町村が虐待を受けたまたは受けたと思われたと判断した事例(虐待判断事例)の総数は12,575件だった。

 虐待の種別・類型をみると、「身体的虐待」が64.1%と最も多く、次いで「心理的虐待」が35.6%、「介護等の放棄(ネグレクト)」が29.4%、「経済的虐待」が27.4%、「性的虐待」が0.7%だった。

 被虐待高齢者の状況については、性別では「女性」が76.9%と、全体の4分の3以上を占め、年齢階級別では「80-89歳」が最も多く、全体の40%近くを占めていた。また、虐待者との同居・別居の状況をみると、「同居」が84.3%と、80%以上が虐待者と同居だった。

 被虐待高齢者からみた虐待者の続柄は「息子」が37.1%と最も多く、次いで「夫」が14.1%、「娘」が13.5%の順だった。

 虐待への対応としては、「被虐待高齢者の保護と虐待者からの分離を行った事例」が36.2%と、約3分の1強の事例で分離が行われていた。いっぽう、「被虐待高齢者と虐待者を分離していない事例」は59.7%と、約60%だった。

 分離を行った事例の対応をみると、「契約による介護保険サービスの利用」が35.9%と最も多く、次いで「医療機関への一時入院」が19.8%、「やむを得ない事由等による措置」が13.7%の順だった。

 いっぽう、分離していない事例の対応をみると、「養護者に対する助言・指導」が42.3%と最も多く、次いで、「被虐待高齢者に対するケアプランが見直された上で、被虐待高齢者が介護保険サービスを継続して利用」が24.3%、「見守り」が22.0%だった。

 市町村における高齢者虐待防止対応のための体制整備等については、「高齢者虐待の対応の窓口となる部局の設置」が91.3%、「高齢者虐待の対応の窓口となる部局の住民への周知」が67.2%と最も実施率が高かった。

 いっぽう、「老人福祉法の規定による措置に必要な居室確保のための関係機関との調整」が39.9%、「早期発見・見守りネットワークの構築への取組」が38.3%、「法に定める警察署長に対する援助要請等に関する警察署担当者との協議」が32.0%、「保健医療福祉サービス介入支援ネットワークの構築への取組」が23.3%、「関係専門機関介入支援ネットワークの構築への取組」が19.2%で、地域における高齢者虐待対応に関する関係機関等との連携や調整が必要な項目については、市町村内部の体制整備や住民と介護関係施設・事業所への法の周知等に比べて実施率が低かった。


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