厚生労働省は、「高年齢者雇用確保措置の実施状況」について発表を行った。「65歳までの高年齢者雇用確保措置は着実に進展、今後は70歳まで働ける企業の普及・啓発に取り組むことが課題」とまとめている。
報告企業数については、今年6月1日時点の高年齢者雇用状況報告を提出した51人以上規模企業は88,166社。うち中小企業(51〜300人規模企業)は、74,825社、大企業(301人以上規模企業)は、13,341社だった。
今年6月1日時点の高年齢者雇用状況報告を提出した51人以上規模企業88,166社における高年齢者雇用確保措置(雇用確保措置)の実施状況を取りまとめた結果、実施済企業は、88,166社中81,762社、92.7%で、前年同期比8.7ポイントの増加となった。いっぽう、高齢法に沿った雇用確保措置を未実施である企業は、前年の13,058社から6,404社(16.0%から7.3%)と半減し、雇用確保措置の企業への浸透が着実に進展している。
実施済企業の割合を中小企業と大企業別に見ると、前者における割合は、91.8%、後者における割合は、98.1%となっており、大半の大企業は雇用確保措置を実施済、中小企業の実施状況も着実に進展している。
また、産業別の状況を見ると、全産業において、実施済企業割合はおおむね90%を超えているが、企業数の多い産業で見ると、「金融・保険業」、「運輸業」等が平均よりやや上回っているのに対し、「情報通信業」等が平均よりやや下回っている。
雇用確保措置の上限年齢については、実施済企業81,762社のうち、63歳または64歳を上限年齢とした企業は、18,368社、22.5%(前年同期23.7%)となっているが、高齢法の義務化スケジュールより前倒しし、65歳以上を上限年齢とした企業(定年の定めのない企業を含む)は、63,394社、77.5%(前年同期76.3%)となっている。
雇用確保措置の実施済企業81,762社のうち、「定年の定めの廃止」の措置を講じた企業は、1,714社、2.1%、「定年の引上げ」の措置を講じた企業は、9,922社、12.1%、「継続雇用制度の導入」の措置を講じた企業は、70,126社、85.8%で、「定年の定めの廃止」の企業が前年同期比0.9ポイントの増加となっている。
継続雇用制度を導入した企業70,126社のうち、希望者全員の継続雇用制度を導入した企業は、27,219社、38.8%、対象者となる高年齢者に係る基準を労使協定で定め、当該基準に基づく継続雇用制度を導入した企業は、29,649社、42.3%、労使協定の締結に向けて努力したにもかかわらず協議が調わず、高齢法に基づく特例措置により就業規則等で基準を定め、当該基準に基づく継続雇用制度を導入した企業は、13,258社、18.9%だった。
51人以上規模企業のうち、定年の定めの廃止、65歳以上定年、希望者全員65歳以上継続雇用制度の企業の割合については、88,166社中32,630社、37.0%で、前年同期比4ポイントの増加。規模別に見ると、中小企業では、40.0%、大企業では、20.0%だった。
「70歳まで働ける企業」(定年の定めの廃止、70歳以上定年、希望者全員70歳以上、基準該当者70歳以上継続雇用制度の企業)の割合は11.9%で、前年同期比0.3ポイントの増加。規模別に見ると中小企業では12.7%、大企業では7.4%だった。
改正高齢法施行前(2005年)に比較して、年齢計の常用労働者数は、2,115万人から2,277万人と7.7%の増加であるのに対し、60〜64歳の常用労働者数は、78万4千人から99万5千人と26.9%の増加。65歳以上の常用労働者数は、26万5千人から39万人と46.8%の増加といずれも年齢計の増加率と比較して大幅な伸びとなった。
改正高齢法施行前(2005年)と比較して、継続雇用予定者の定年到達予定者に占める割合は、48.4%から76.7%へ28.3ポイント増加。雇用確保措置の企業への浸透が見られた。
同省では、雇用確保措置の未実施企業等に対して、各都道府県労働局(労働局)、ハローワークにおいて、事業主団体の協力も得ながら、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構と緊密に連携しつつ、企業に対する助言・指導を行っているが、今年の6月1日報告によると、未実施企業6,404社が存在することから、引き続き、労働局、ハローワークの幹部等による個別指導を実施することにより、未実施企業の解消を図るとともに、今後は、50人以下規模企業について、集団指導や個別指導を実施して雇用確保措置の実施を図る。
また、継続雇用制度の対象者に係る基準を労使協定によらず就業規則等で定めることができる特例措置期間が、大企業においては、2008年度、中小企業においては、2010年度で終了すること、2013年までにすべての企業において65歳義務化達成が求められていることから、雇用確保措置の円滑な実施に加えて、希望者全員の65歳までの継続雇用、定年の引上げ、定年の定めの廃止といった雇用確保措置の充実について企業に積極的に働きかけ、雇用確保措置の充実を図る。
さらに、少子・高齢化の進行、将来の労働力人口の減少、団塊世代が今年から60歳の定年年齢に到達したことなどを踏まえ、高年齢者が意欲と能力のある限りいくつになっても働ける社会の実現に向け、「70歳まで働ける企業」推進プロジェクト会議において、「70歳まで働ける企業」の実現に向けた提言が取りまとめられた。同省では、これを踏まえ、当該提言を活用した普及・啓発に取り組むとともに、70歳以上の定年引上げ等に対する「定年引上げ等奨励金」を積極的に活用するよう企業に働きかける方針としている。
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