ピジョン株式会社は、財団法人日本産業デザイン振興会が主催する「2007年度グッドデザイン賞(Gマーク)」を「ハビナースストロー付カップ」で受賞した。ハビナースブランドにおいて、同社における同賞の受賞は初めてのこと。
「ハビナースストロー付カップ」は、上腕機能や摂食機能減退により普通のコップでは水分摂取が困難な人と介護者のために開発されたストロー付カップ。飲みやすく、口腔機能を考慮したストローデザインで、分解・組立・洗浄が容易な構造と形状となっている。高齢者の使用シーンに配慮をしたデザインとした。
今年8月の発売以来、ユーザー・得意先から好評を得ており、出荷個数は1万5千個を越えた。ドラッグストアを中心に、全国で4,000件の小売店で取り扱っている。税込価格は1,260円。
Gマーク審査委員には「誠実、使いやすさ、親切さがある、ユニバーサルデザインを実践しているという点で評価された。また審査員からは、”飲みやすく、口腔機能を考慮したストローデザイン、分解・組立・洗浄が容易な構造と形状”についてかなり高次元で作りこまれており、ユーザーの抱えている問題を解決していると評価された」というコメントを受けた。デザイナーは、同社開発本部商品開発部開発1グループ主幹研究員の川野裕介氏。同社のGマーク受賞履歴は、1973年のベビートイで受賞したことにはじまり、今回の受賞は通算23件目となる。
口腔奥の気道と食道の間には、食べ物と空気の流れを調整する弁(喉頭蓋)がある。この弁は、息をするために通常は食道側が閉じられており、気道側は鼻から繋がって開いている。そして物を飲み込む時には無意識に弁を閉じることによって喉から食道へ食べ物や液体を移しているが、加齢等によりその弁を無意識に使えなくなると「嚥下障害」が起く。
「嚥下障害」の高齢者は、食べ物が気道に入ってしまうことがあるため、ずっとむせている状態になる。つまり、弁(鼻・気道・口)の機能が減退する=嚥下が困難になると言える。
高齢者は嚥下が困難になると口の中に食物が滞留し、そして腐ってしまい、それが原因となり肺炎を引き起こしやすくなる。肺炎が高齢者に多いのはこのような原因によることが多い。
同社では、ストローで飲み続けられれば、飲む機能の減退をくいとどめ、取り戻すことができる。介護の現場では、自分でコップ飲みができなくなるといきなり介助飲みになってしまうことが多いが、ストロー飲みを段階として取り入れることが適切だと、同社では考えている。
スプーンで介助飲みをしている人はストロー飲みが可能な人も多く、いずれストロー飲みで嚥下が上手にできるようになり、コップ飲みがまたできるようになることもある。
現在、市場には、赤ちゃん用のストローはあるが、高齢者には日常の商品として定着していない。しかし、老化のメカニズムのプロセスにおいて、元気な高齢者の人にもストローが役に立つと同社は考え、元気な高齢者の人も日常生活の中で「コップ飲みやラッパ飲みでむせた場合はストローで飲んでみてほしい」としている。
ハビナースストロー付カップ

|