ザ・ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループ・インクが今夏に実施した調査から、中高年層の多くが退職後の生活資金に大きな不安を抱いているにもかかわらず、より豊かな老後の資産形成のために積極的に対策を講じている割合は低く、また、資産形成のアドバイスをどこに求めればいいのか分からないと回答していることが明らかになった。
欧米やアジアの先進諸国では、すでに退職している世代とこれから退職を迎えるベビーブーマー世代が数億人規模に達し、高齢化が進んでいる。多くのシニア世代が老後のゴールデン・エイジを余暇活動や旅行、慈善活動で謳歌したいと考えている反面、退職後も働き続けたいと望んでいる人も増えている。ただ、その実現は容易ではない。
ハートフォードでは昨年の3カ国退職後意識調査(日本、米国、英国)に続き、今回はドイツと韓国を加えた5カ国において、45歳以上の男女6,500名強を対象に意識調査を実施した。同調査は外部調査機関オピナウリ(Opinauri)社への委託によりインターネットで行った。
調査結果をみると、退職後、快適かつ経済的に安心して過ごすための資金について、不安を感じているにもかかわらず、多くは資産状況を向上させる対策を講じていない。日本では、「不安」と回答した87%のうち、「非常に不安」または「かなり不安」と回答した人は52%にのぼる。日本の71%、韓国の68%が過去12カ月で退職後に向けた資産状況が「向上していない」と回答していた。
多くの人が退職後の備えに不安を感じながらも対策を講じていない理由は、資産形成に対する「自信のなさ」と考えられる。資産設計プランを自在に作成できると考えている人は少なく、アドバイスをどこに求めればいいのか分からない人が多い。また、投資リスクを避けたい安定性重視の人の割合はさらに高まっている。日本では69%、韓国では47%が資産形成に対する「自信がない」と回答。資産形成のアドバイスについて、「どこに求めればいいのか分からない」という回答が、日本では44%と高い。3カ国(日本、米国、英国)とも、その割合が上昇傾向にある。日本では、信頼できるアドバイスを求める先として、最も多かったのは「マスコミ」、次に「友人・親戚・知人」が続く。投資リスクを避ける傾向が特に強かったのは韓国、ドイツ、日本という順だった。
退職後、経済的に「最も懸念していること」については、各国において相違がみられる。最も懸念していることとして、「人生を楽しむのに十分な資金の確保」と回答した人は、英国では46%、米国では43%と高い割合が示されたが、日本では25%にとどまった。日本では、43%が「生活水準維持の資金の確保」を最も懸念している。
退職後は余暇活動や旅行を楽しむことを思い描く人が多い反面、何らかの形で働き続けるとした割合も高い。日本では、62%が「ペースは落とすが働き続ける」(31%)、「可能な限り現在の仕事を続ける」(20%)、あるいは「事業等を始める」(11%)と回答。いっぽう、日本においても一番多い回答は「余暇活動」(58%)となっていた。
今回の調査を受け、ハートフォード・ライフの共同最高業務責任者兼インターナショナル・ウェルス・マネジメント&グループ・ベネフィット統括総責任者のリズ・ズラトカスは、「調査で明らかになったのは、退職後のセカンドライフについて様々なビジョンを思い描いているものの、それをどのように実現するかが分からないという各国に共通した傾向。この結果から、長期的な資産目標を達成するために、投資教育や専門家による資産形成のアドバイスの必要性が高まっていることがわかります」と述べている。
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