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「高齢期の生活資金準備と金融商品」の調査結果を公表

−国民生活センター、第38回国民生活動向調査−

2008/02/08(Fri.)

 国民生活センターは2007年8月〜9月に、政令指定都市と東京23区に居住する主婦を対象とした「国民生活動向調査」を実施した。そのなかで、特定テーマ「高齢期の生活資金準備と金融商品」とした調査も行った。

 「団塊の世代」が定年退職を迎える時期となり、高齢期の生活資金をどのように準備するかが大きな関心事となっていることから、生活資金の準備手段として金融商品に寄せる期待がうかがわれるいっぽう、金融商品等に関するトラブルは増加傾向にある。そこで、特定テーマでは、高齢期の家計や生活資金の準備に関する意識と実態、金融商品に関するトラブルの経験等について調査した。

 生活資金や家計で不安を感じることについてみると、「公的年金の受給額が少ないこと」75.8%、「定期的な収入が得られなくなること」63.3%、「医療費がかさむこと」53.9%などがある。「不安を感じることはない」と答えたのは2.5%で、ほとんどの人(96.2%)が何らかの不安を感じている。また、「公的年金の受給額が少ないこと」と答えたのは、30・40代で80%を超えている。

 生活資金や生活費について行ったことについてみると、「公的年金の加入状況や受け取ることができる金額を調べた」28.9%、「家族と高齢期の収入や支出について話し合った」25.7%、「高齢期の生活資金となる収入や預貯金などの金額を調べた」21.1%などがある。

 「具体的に行ったことはない」と答えたのは47.5%、いっぽう、何らかの行動をした人は全体の50.2%で、年代が高くなるにつれて割合が高くなっている(20代23.4%、30代27.4%、40代32.3%、50代62.2%、60代73.0%)。

 また、「公的年金の加入状況や受け取ることができる金額を調べた」人の割合は、20〜40代では10%程度にとどまっているが、50代で42.1%、60代で49.8%となっている。

 必要な生活資金のうち、公的年金でまかなえると思う割合についてみると、世帯として高齢期の生活に必要な生活資金のうち、公的年金でまかなえると思う割合については、「50%未満」29.0%、「5〜70%程度」32.3%、「80%〜全額」7.4%、「わからない」26.8%だった。

 20〜40代では、「50%未満」40%程度、「5〜70%程度」20%程度、「80%〜全額」0〜4%程度(20代0.0%、30代1.6%、40代4.3%)、「わからない」30〜40%程度。50代では、「50%未満」27.4%、「5〜70%程度」が37.1%、「80%〜全額」7.8%、「わからない」22.9%。60代では、「50%未満」18.9%、「5〜70%程度」が43.5%、「80%〜全額」15.3%、「わからない」14.1%となっている。

 世帯として、公的年金以外に高齢期の生活資金を準備しているかたずねたところ、「準備していない」が61.9%、「準備している(他の用途と合わせて準備している場合を含む)」が35.7%。「準備していない」は、年代が高くなるにつれて割合が低くなるが(20代87.5%、30代74.8%、40代68.5%、50代56.1%、60代49.5%)、60代でも約半数が「準備していない」と回答している(60代の「準備している」は45.0%)。

 準備を始めた年齢は、平均で41.1歳。各年代の準備開始平均年齢は、30代27.9歳、40代33.5歳、50代44.2歳、60代48.3歳。60代では、準備を始めた年齢が「50代」が46.3%、「40代」が27.7%となっている。

 準備した額または準備可能額と公的年金の合計についてみると、「準備している」と回答した人(617人)に、準備額(準備した額または準備可能額)と公的年金の合計はどのくらいかたずねたところ、「日常生活に必要な最低限の額」が45.9%、「最低限の額には足りない」が18.5%、「経済的にゆとりある生活を送ることができる額」(経済的ゆとりあり)が18.3%だった。

 年代別にみると、20〜40代では「最低限の額には足りない」が約30%、「日常生活に必要な最低限の額」が40%弱。50代では、約半数が「日常生活に必要な最低限の額」は準備できているとし、「経済的ゆとりあり」が17.3%、「最低限の額には足りない」が16.4%となっている。60代では、約半数が「最低限の額」は準備できているとし、「経済的ゆとりあり」が30.3%、「最低限の額には足りない」が7.4%となっている。

 準備していない理由と今後の準備予定についてみると、「準備していない」と答えた人(1,070人)に、準備していない理由をたずねたところ、「日常の生活費だけで精一杯で、経済的ゆとりがないから」73.6%、「どのように準備すればよいかわからないから」19.3%、「まだ若いから」10.2%がある。どの年代も「経済的ゆとりがないから」の割合が高く、60代でも69.6%だった。

 また、同様に、今後の準備予定についてたずねたところ、「準備したいが、経済的ゆとりがないのでできない」が53.5%、「いずれ準備するつもり」が33.9%、「準備するつもりはない」が4.2%となっている。

 「準備したいが、経済的ゆとりがないのでできない」という回答は、60代62.3%、50代61.1%、40代52.2%、30代43.1%、20代28.6%と、年代が高くなるにつれて割合が高く、逆に「いずれ準備するつもり」は、20代64.3%、30代48.7%、40代40.9%、50代26.2%、60代11.1%と、年代が高くなるにつれて割合が低くなっている。

 公的年金以外に期待するものについてみると、「準備している人」(617人)と「準備の意向がある人(935人)の計1,552人に、公的年金以外にどのようなものに期待するかたずねたところ、「貯蓄型の金融商品(預貯金、財形貯蓄がある。生命保険や個人年金保険を除く)」42.5%、「退職金」31.6%、「個人年金保険」27.2%、「生命保険(年金型を除く、生命保険、簡易保険、生命共済など)」26.5%などとなっている。

 「貯蓄型の金融商品」は年代が低いほど割合が高い。「投資型の金融商品(株式、投資信託、公社債、外貨預金など)」は、20〜50代で10%程度であるのに対し、60代では20%となっている。「公的年金以外に期待しているものはない」は全体で11.5%。20〜40代では10%に満たないが、50代が12.7%、60代が15.3%だった。

 生活資金を金融商品で準備しようとするときに重視することについてみると、「リターンは少なくても元本保証のあるもの」52.3%、「商品の内容や仕組みが理解しやすいもの」42.5%、「預け入れや引き出しが自由にできるもの」42.0%、「中途解約しても損が少ないもの」39.0%、「購入先の金融機関などが信用できること」33.9%がある。

 金融商品を選んだり契約したりする際に、7つの項目について、それぞれの事柄をどの程度重視するかたずねたところ、「重視する」の割合が高かったのは、「金融機関などの信頼性」74.4%、「商品の内容や特徴」73.0%、「金融機関などから提示される資料」61.9%、「営業担当者や窓口担当者の説明内容」58.2%、「営業担当者や窓口担当者の人柄」44.1%、「経済ジャーナリストやファイナンシャルプランナーなどの専門家による解説」43.3%、「新聞や雑誌、インターネットなどの広告」27.6%の順となった。

 世帯で保有している金融商品についてみると、「預貯金(銀行、農・漁協がある。郵便貯金を除く)」74.4%、「郵便貯金(簡保を除く)」56.6%、「積立型保険商品(生保、損保、簡保)」35.8%、「個人年金保険」25.4%、「株式」18.9%、「投資信託(株式投信、公社債投信、MMFなど)」11.7%などがある。金融商品を保有していると回答した人は全体の87.7%、「金融商品は持っていない」が8.8%となっている。

 「郵便貯金」は各世代とも50〜60%でほとんど差はないが、「預貯金」「積立型保険商品」では20〜40代、「個人年金保険」では30・40代、「株式」「投資信託」では50・60代が、それぞれ他の年代に比べて保有している割合が高くなっている。

 金融商品に関するトラブルなどの経験についてみると、過去3年間に、世帯として金融商品に関するトラブルなどの経験をした人は全体の20.6%(357人)。そのうち、経験した内容で回答の多いものは、「希望していないのに、家を訪問してきたり電話がかかってきて、勧誘された」65.0%、「断っているのに、しつこく何度も勧誘された」30.0%、「中途解約をしたら、元本割れした」9.2%となっている。

 トラブルなどの経験をした人の割合は、20・30代では14〜15%程度、40〜60代では21〜23%程度。また、金融商品を持っている人では20〜30%程度、金融商品を持っていない人では11.8%。「トラブルなどの経験はない」と回答したのは66.7%だった。

 トラブルなどを経験した金融商品についてみると、「積立型保険商品(生保、損保、簡保)」26.6%、「投資信託(株式投信、公社債投信、MMFなど)」23.0%などとなっている。20〜40代では「積立型保険商品」、50代では「投資信託」「積立型保険商品」、60代では「投資信託」の割合が高くなっている。

 金融商品に関して不満を感じたことについてみると、「仕組みや制度が複雑でわかりにくい」56.7%、「説明資料の内容がわかりにくい・読みづらい」38.6%、「契約・解約の手続きが複雑でめんどう」30.9%、「金融商品の内容を自分で判断するために必要な情報が不十分」26.0%などがある。「不満を感じたことはない」は15.4%で、「不満あり」は全体の79.8%だった。

 年代別にみると、「不満あり」は20〜40代では8〜90%程度、60代では70%程度。また、「仕組みや制度が複雑でわかりにくい」「契約・解約の手続きが複雑でめんどう」「金融商品の内容を自分で判断するために必要な情報が不十分」では50・60代に比べて20〜40代で割合が高い傾向となっており、「説明資料の内容がわかりにくい・読みづらい」「疑問や苦情を相談する窓口がわからない」などでは、年代による差はほとんど見られない。


独立行政法人国民生活センター概要
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