内閣府は、「2005年度高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」の結果を公表した。高齢者が可能な限り住み慣れた地域社会で生活し、社会とのかかわりを持ち続けていくための基盤となる住宅と生活環境を、高齢者の暮らしやすいものとするための基礎資料を得ることを目的としている。
現在、住んでいる住宅で困っていることがあるかについてみると、「何も問題点はない」人は56.4%で、40%を超えた人が困ったことがある。
困っている理由をみると、「住まいが古くなりいたんでいる」が15.8%で最も高く、次いで、「住宅の構造(段差や階段など)や造りが高齢者には使いにくい」が10.8%、「日当たりや風通しが悪い」が9.8%、「台所、便所、浴室などの設備が使いにくい」が8.3%の順となっている。
前回調査(2001年)と比較すると、「何も問題点はない」とする人の割合は減少し(63.7%→56.4%)、困っていることがある人が増えている。
過去5年間のリフォームの経験についてみると、「改造(リフォーム)はしていない」が60.3%となっており、約40%の人がリフォームを経験している。
リフォームの満足度についてみると、「満足している」が41.1%、「まあ満足している」が52.0%で、これらを合わせた「満足(計)」は93.0%と90%を占めている。
リフォームのきっかけについてみると、「日常生活上で自ら必要性を感じて」が70.5%を占め、次いで、「友人や知人、家族や親族のすすめ」が7.6%、「自宅を訪問してきた業者の勧誘」が5.3%の順となっている。
施工業者以外の関与についてみると、「工事を行った建築業者などとしか話をしていない」が70.5%を占め、次いで、「他の建築業者など(相談や見積りなど)」が11.5%となっている。
引越しをするとした場合に住宅や住環境で最も重視するのは、高齢者向けに設計されていること。いっぽう、身体が虚弱化した場合には、現在の住居に、特に改造などせずそのまま住み続けたいとする人が最も多い。
資金等の問題を考慮せずに新しい住宅に住み替え(引っ越し)をするとした場合の住宅や住環境で重視する点についてみると、「手すりが取り付けてあったり、床の段差が取り除かれているなど、高齢者向けに設計されていること」が37.2%と最も高く、次いで、「駅や商店街に近く、移動や買い物に便利であること」が31.2%、「医療や介護サービスなどが受けやすいこと」が30.0%の順なっている。
自分の身体が虚弱化したときに住まいをどのようにしたいと思うかについてみると、「現在の住居に、とくに改造などはせずそのまま住み続けたい」が37.9%と最も高く、次いで、「現在の住宅を改造し住みやすくする」が24.9%、「介護を受けられる公的な特別養護老人ホームなどの施設に入居する」が17.9%の順となっている。
年齢階級別にみると、75歳以上では、「現在の住居に、とくに改造などはせずそのまま住み続けたい」とする割合が高く、年齢が低くなるほど「現在の住宅を改造し住みやすくする」の割合が高くなっている。また、「公的なケア付き住宅に入居する」の割合も年齢の低い層で比較的高くなっている。
子供との同・別居についてみると、「現在同居しており、将来も同居のまま」が31.2%と最も高く、次いで、「現在別居しており、将来も別居のまま」が19.9%、「現在別居しているが、将来はわからない」が17.2%の順となっている。
これを、将来の意向でまとめてみると、「将来同居(計)」が41.1%と40%を占め、次いで、「将来はわからない(計)」が25.6%、「将来別居(計)」が24.0%となっている。前回調査(2001年)との比較では「将来同居(計)」の割合が減少し(46.8%→41.1%)、「将来別居(計)」の割合が増加している(17.9%→24.0%)。
自宅内での転倒事故についてみると、この1年間に転んだことのある人は10.6%と10%の人が自宅内で転倒している。年齢階級別にみると、年齢が高いほど転倒事故の割合が高く、「85歳以上」では25.3%と4人に1人の割合となっている。
転倒した場所についてみると、「庭」が26.5%と最も高いが、前回調査(2001年)と比較すると、「庭」の割合は減少し、「玄関・ホール・ポーチ」、「廊下」と「浴室」の割合が増加している。
自宅で転倒した人のけがの状況をみると、「けがはなかった」が37.5%で、転倒した人の約60%が何らかのけがを負っている。男女別にみると、「けがはなかった」は「男性」が50.8%に対し、「女性」は31.7%で、「男性」は転倒した人の2人に1人がけがをし、「女性」は3人に2人がけがをしており、転倒した場合、「男性」に比べて「女性」の人がけがをする割合が高くなっている。しかし、「女性」に比べて「男性」の人が、けがの症状が重度となる傾向が見られる。
災害に備えた対策を何もしていない人は40%で、前回と比べると減少している。地震等の災害に備えてとっている対策についてみると、「特に何もしていない」とする人が42.6%となっている。前回調査(2001年)と比較すると、「特に何もしていない」人の割合が約14ポイント減少している。
外出状況についてみると、「ほとんど毎日外出する」が59.7%と60%近くを占め、「ときどき外出する」が32.9%、「ほとんど外出しない」が7.3%となっている。前回調査(2001年)との比較では、「ほとんど毎日外出する」の割合が増加している。
外出に利用する手段についてみると、「徒歩」が57.7%と最も高く、次いで、「自分で運転する自動車」が38.9%、「自転車」が30.2%、「家族などの運転する自動車」が23.9%、「バス」が18.8%の順となっている。過去の調査と比較すると、「自分で運転する自動車」の割合が増加傾向にあり、「バス」の割合が減少傾向にある。
自分で自動車を運転する人の運転頻度についてみると、「ほとんど毎日運転する」が64.1%と60%以上を占め、「週2、3回は運転する」が25.5%となっている。
自分で自動車を運転する人の今後の運転に関する意向についてみると、「視力の低下などにより運転に支障を感じたら、車の運転をやめようと思っている」が50.5%と半数を占め、次いで、「一定の年齢になったら、車の運転をやめようと思っている」が28.0%となっている。いっぽう、「年齢や身体的な支障の有無にかかわらず、車の運転を続けようと思っている」は17.5%となっている。
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