日本IBMは、インターネット上で一般のユーザーと視覚障碍を持ったユーザーが協働してウェブ・ページのアクセシビリティーを向上させるためのツール「ソーシャル・アクセシビリティー・コラボレーション・ソフトウェア」と、それを支えるコラボレーションサイト「ソーシャル・アクセシビリティ・プロジェクト」を公開した。
インターネットは、健常者だけでなく障碍者や高齢者などにとっても、情報を容易に入手することができ、様々なサービス受けることのできる便利で欠くことのできない社会基盤の一つとなってきている。だれでもインターネットを気軽に使えるように、JISでの標準化をはじめとして様々な活動が行われている。しかし、ウェブ上のサービスの増加に伴い、制作側が配慮しているつもりでも、多様なユーザーの使い勝手を全て把握することは難しく、制作者の気づかない部分で利用に支障をきたしていることもある。
今回、日本IBM東京基礎研究所が開発したコラボレーション・ソフトウェアの特徴は、視覚障碍を持ったユーザーと一般のユーザーが協働で、対象となるウェブ・ページのコンテンツに変更を加えることなく、アクセシビリティーを向上できること。
たとえば、視覚障碍者が、読み上げ機能付きのブラウザーを使っていて「写真が掲載されているようだが、どんな写真かわからない」「目的のページにたどり着けない」など、閲覧しているウェブ・ページで理解できない箇所を見つけた際、ソーシャル・アクセシビリティー・プロジェクトのサーバーにメッセージを送信する。
送信されたメッセージは、ソーシャル・アクセシビリティー・プロジェクトのサイトに表示される。表示を見た一般のインターネット・ユーザーは、報告された問題に対して、「写真注釈:夕日に映える富士山」など適切な情報をツールを使って付加し、ソーシャル・アクセシビリティー・プロジェクトのサーバーに登録する。
その後、視覚障碍者がそのウェブ・ページにアクセスすると、ソーシャル・アクセシビリティー・プロジェクトのサーバーから登録された付加情報が自動的に読み込まれ、掲載された写真を理解できるようになる。こうして、実際のウェブ・ページのコンテンツに変更を加えることなく、短時間でウェブ・ページの問題が改善される。
また、ソーシャル・アクセシビリティー・プロジェクトのウェブ・サイトでは、ユーザーごとの投稿数や修正数のランキングが表示されたり、視覚障碍を持ったユーザーと一般のユーザー、もしくは一般のユーザー同士が問題点について話し合う場を提供するなど、協働を支援する環境を提供している。
日本IBMでは、「ソーシャル・アクセシビリティー・プロジェクト」の試作ホームページをソーシャル・アクセシビリティー・コラボレーション・ソフトウェアと共に、IBMアルファワークス・サービスの一環として提供している。
IBMアルファワークスからソーシャル・アクセシビリティー・プロジェクトに登録すれば、視覚障碍を持ったユーザーのWebアクセシビリティー向上のための活動に、だれでも参加することができる。IBMアルファワークスでは、IBMの各研究所で開発中の最新技術を開発者向けに提供している。
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