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ふくしチャンネルレポート

第5回 介護支援ネットの集い パート3
医療と福祉 連携の極意

 3回にわたり、お届けしてきた「介護支援ネットの集い」リポート。最終回は『医療と福祉 連携の極意』と題したテーマで行われた講演の模様です。
 とかく福祉・介護側から医療側に対して、不満が噴出しているように感じられる双方間のミゾ。
「この問題には医者に対する誤解が深く関わっている」と断言するオットン先生が、医療側の立場から解いていきます。

見えないミゾができてしまった原因とは
オットン先生PROFILE
大阪在住
医師

 私自身、医療と福祉を別々に分けてしまうことに問題があると思っておりますが、まず疾病と障害に関する医学について触れることで、どうして溝ができたかを考えていきたいと思います。

 医療というもの中に医学があり、そのなかに疾病のための医学、障害のための医学というものがあります。疾病と障害、似ているようで似ていない部分がいっぱいあるんです。
 福祉の勉強をされた方は知っておられることだと思いますが、障害といいますとWHOの国際分類がありますね。
大きく分けて「Impairment」機能障害、「Disability」能力障害、「Handicap」社会的不利、この3つを障害という。障害の中には、病気の結果として起こる障害、または病気の途中で起こる障害、最初からの先天的な障害もあります。
 
 このように、いろいろある障害を医者がどれくらい知っておるか。今まで医学というものがどっちを向いて進んでおったのでしょうか。
今、問題になっているSARSを例にみますと、どういう原因で起こるのか、予防や治療はどうしたらよいかなどの“疾病の医学”については一生懸命に取組む。私の尊敬する野口英世もそうですが、「ノーベル医学賞もらうねん」と学生の頃から言うてた友人もいるくらい。つまり、“障害の医学”に比べて、“疾病の医学”について勉強する医者の方が多いんです。
例えば、整形外科の先生は骨折、関節などの病気についてはすぐに診て「障害が残るぞ」という話はなさいます。しかし、ある程度のところからは、医師に診てもらわないで、リハビリをやって、それで医療とは別だと思ってしまう患者さんもいます。リハビリは医師の指示を受けてやるのに、どこかでルールから逸れているのをみかけることがあります。
 障害のもとになった病気、障害そのものについてを医学的な目で診るということがわりあい少なくなってきている。その辺を考えてみますと、医療と福祉・介護にできあがっておった溝というものがなんとなしに理解できる。もともとはそんな溝はなかったはずなんですからね。
医療の中に介護があり、看護もあり、これらは切り離せるものではなかった。身体を拭いてあげたり、入浴の介助をしたり、ベッドメーキングしたりすることも看護師さんの大事な仕事の一つだったんです。それがいつの間にか、介護と看護の間にも溝ができた。これは、介護保険という制度ができたから生まれた溝だといっても過言ではないと思います。

それと今まで問題になっていたヘルパーさんの医療行為。ALSの喀痰吸引についてはやっとヘルパーにも認めるということになりましたよね。今までそれは医療行為だと言うて、頑として認めなかった。
喀痰だけではなく爪切りはいいのか、薬の塗布はいいのか、どこで線引きすればいいかと、現実には私も困ってます。家族は膀胱洗浄とかインシュリン注射もやってるんですからね。でも、ヘルパーはダメ。
この間の坂口厚生労働大臣の話からしますと、今はダメと言われていることも、それなりに習熟したヘルパーなら十分注意してやればいいというように広まっていきそうな気がします。

介護保険と医者…ミゾはどんどん深まるばかり?

 私の病院では、年間50〜60人の主治医意見書を書いています。ところが、その患者さんが要介護になったか、要支援になったか、その知らせが何もない。患者さんに直接聞かない限り、どこも教えてくれないんですよ。しびれ切らして自治体へ聞きますと「守秘義務があります」と言うんです。認定結果がどうなったかは個人情報だから、意見書を書いた医者にも知らせるわけにはいかんと。
 ケアプランも本人から聞いてるんです。私自身が在宅医療もやっておりますので、意見書を書いた人の半分くらいを知れる立場にいますけど。もし、やってなかったら、何にも情報がわからずに6ヶ月、1年経ってまたひょこっと「意見書を書いてくれ」って言うてくる。「1年も診ない主治医があるか」と帰しますと、自治体から「この人は何にも病気がなくてどこにも罹ってないんです。みなし主治医として書いてください」と。また来るかなと思ってたら、「いやぁ、3ヶ月ほど前に亡くなりました」って。「どこで?」と聞くと、「近所の病院に入って亡くなった」と……主治医って何なんかなぁ。

 それから、連絡帳っていいますか?ケアマネジャーが訪問した時や、ヘルパーは介護のたびに「今日は頭が痛いと言うとった」、「お風呂入れようと思ったけど熱があったからやめた」とか書いてますよね。
私が行った時に参考になるもんですから、「私も書いてええかな?」って聞くと、「ヘルパーさんに聞いときますわ」って、書いたらいかんみたいに言われてしもうて。そんなら、連絡帳って誰に連絡するためのもんなんやと。
医者はどこに置いとかれるんかな。医者は祭り上げられとる。逆に言えば、何もわかっとらんと、見下げられていると思うんです。


 これには、医者が悪いところもある。偉そうにしてる医者が確かに多いと思いますから。
うちの近くにケアマネジャーの連絡協議会がありまして、今月になって主治医と話し合いを持ちたいと、私に初めて言うてくれたんですよ。他の医者にその旨を伝えますと「何の話をしたがっとんねん」と、こういう返事なんです。「そうじゃなくて、ケアマネジャーのやり方と医者の考え方の連携をとろうとしてるんじゃないかな。僕は非常にええことやと話しといたけどな」と言うと、「そうかぁ?そんなら他の医者にも言うとくけど、たくさん集まらんかってもしゃあないで」。何で集まらんのかと聞いたら、医者は忙しいからだって……ケアマネジャーはそんなに暇ですか?
医者が忙しい言うたって知れとる。ゴルフ場で大きい声で笑いながら「ワーワー!」やってんのは、大抵医者なんですよ(会場爆笑)。そんな時間あったら、ちょっとくらい時間割いてくれてもいいのにって、私は思うんですけどね。

 
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