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ふくしチャンネルレポート
第33回国際福祉機器展 H.C.R.2006
第7回西日本国際福祉機器展 PPC2005
第32回国際福祉機器展 H.C.R.2005
排泄のお悩み相談、受け付け中 〜排泄総合サイト「まるナビ」〜
ちょっと待って!そのリフォーム!! 〜住宅改修の前に見直してほしいポイント〜
排泄ケアのトラブル解消 オムツフィッター
介護保険制度改革のポイント
歌を歌って、若さを保ちませんか?
ゲームで遊んで介護予防
第31回国際福祉機器展 H.C.R.2004
料理をお助け! あると便利なキッチングッズ 〜秋の味覚を堪能しながら健康づくり〜
夏バテ解消は「食べること」が一番! 〜おいしく食べて、元気に乗り切ろう〜
車いすがくれるもの 〜もう一度走りたい 犬の世界にも広がるQOL〜
コンパニオンアニマルの世界も高齢化が進行中
DIYでからだもくらしも生き生き!
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第5回西日本国際福祉機器展 PPC2003
第30回国際福祉機器展 H.C.R.2003
第1回福祉用具総合セミナー

ふくしチャンネルレポート

ふくしチャンネルレポート
ゲームで遊んで介護予防
〜リハビリテインメントマシンで元気と意欲を取り戻そう〜
介護保険制度改革で注目を集めている「介護予防」。
しかし、これまでの画一的な訓練やリハビリテーションでは、やる気になれなかったり、負担に感じたりすることもしばしば。そんな中、ゲーム感覚で楽しみながら身体能力の維持・改善ができる「リハビリテインメントマシン」を取り入れる施設が増えてきました。
自ら楽しむことが心身の活性化につながる

数々の商業施設が立ち並ぶ「みなとみらい21」。
その中心部「横浜ワールドポーターズ」6階に、リハビリテインメントマシンを開発した(株)ナムコの運営するデイサービスセンター『かいかや』があります。レトロな雰囲気の室内に、ゲームセンターでお馴染みの「太鼓の達人RT〜日本の心〜」「ワニワニパニックRT」が設置されています。

 「“自ら楽しむこと”が身体を変えるんです。これをナムコでは“スピリチュアル・ヘルス(魂の健康)”と呼んでいます」と語るのは、エルダー事業グループグループリーダーの河村さん。

 同社は、約10年ほど前からゲームをリハビリに応用・改良できないかと考え、「リハビリテインメントマシン」の開発に取組んできました。

「かんたんコース」など打点設定にも配慮されているため、みなさんノリノリ。

『太鼓の達人RT〜日本の心〜』は、音楽に合わせて太鼓をタイミングよく叩くというゲーム。
昨年11月、高齢者向けにカスタマイズしたバーションを発売しました。
車いすの人でも手が届きやすくするため、太鼓は低い移動式の台座に設置。また、握力が弱くても力いっぱい叩けるように、バチには手を固定するベルトがついています。
収録曲は、音楽療法士の協力を得て「荒城の月」「富士山」「ふるさと」「ソーラン節」など、昔懐かしい童謡・唱歌や民謡から20曲を選定。
馴染みのある曲ばかりなので「バチをマイク代わりにカラオケ大会になることもある」そうです。
また、オリジナルの「太鼓を叩く」モードを搭載。レクリエーションやイベントにも活用可能です。

腕の筋力や反射神経、視覚を広げるトレーニングになります。

『ワニワニパニックRT』は、次々に出現するワニをハンマーで叩くゲーム。
このマシンも、腕の筋肉や握力の弱い人が楽しめるよう、ハンマーを軽い円筒形に工夫。マシン下部はくぼませて車いすでもプレイしやすい仕様になっています。
さらに、ワニの出現から叩かれる時間までをマシンが判断する「難易度自動調整機能」付き。無理なく効果的なトレーニングを行うことができます。

 実際、これらリハビリテインメントマシンにトレーニング効果があるという研究結果が出ています。
九州大学の高杉医師が、「高齢者の“敏捷性”と“バランス”の改善に有効である」と昨年の転倒防止国際シンポジウムで発表しました。

 “敏捷性”と“バランス”の向上は、高齢者の転倒を予防するのに効果的です。
現在、全国80の施設に約160台導入されており、販売台数に効果のほどが反映されているといえるでしょう。

また行きたい!と思える環境も大切
舞踏会を開きたくなるようなデイルーム。重厚感のある家具は、手すりの代用にもなっています。

「デイサービスセンター自体も『出かけたくなるところ』『ワクワクするところ』にならなければ」

 『かいかや』のキーワードは「自身が主役」「ユーモア」「本物感」の3つ。
特にこだわったのは、大正ロマンをテーマにした空間です。
ホテルのロビーにいるような洋風のラウンジ。木造洋館風に演出された食堂・デイルーム。離れの茶室に見立てた和室。
文化の違う3つの様式を取り入れた和洋折衷の空間で、懐かしい青春時代を思い起こすようなシーンが設定されています。また、木材や竹など自然の素材を随所に使用し、利用者が落ち着ける場をつくり出しています。

みなとみらいの景色が一望できるラウンジ。銀幕のスターを思い出し、会話が弾みます。

「みなさんオシャレしていらっしゃるんですよ。96歳の男性は『ここは鹿鳴館だ』と仰って、2度目に来られたときにモーニングを着てらしたんです。次の時はスタッフに着てほしいからと、矢絣の着物と袴を買ってこられて。これは施設の雰囲気、ツールの力だと思いますね」

 日活の映画ポスターや、石原裕次郎らが撮影中に使用した小道具なども展示。施設自体が、回想法としての役割も担っているといえます。

 また、食事にも『かいかや』ならではのこだわりが込められています。少量多品種の2つのメニューから食べたいものを選べて、盛り付けと給仕にも工夫がなされ、さながら高級レストランのような雰囲気を演出。「家ではスプーンやフォークで食事されている方が、ここではお箸を使うようになった」そうです。

「わぁっ旅館みたいだね」「いや、蕎麦屋だよ」。
施設に入る前から、ワクワクします。

活動メニューもキーワードにこだわって考えられています。
例えば、デザート作りのレクリエーションでは“冬の雪”をテーマに、アイスの雪だるまや雪ウサギなど、本格的な手作りをめざします。

 「利用者さんにどう楽しんでいただくか――私たちはハードとソフトのきっかけを提供しているだけなんです。
こういったことが可能なのはスタッフの力があってこそ。何か新しいことを始めるのにもリスクを恐れるのではなく、どう回避するかをとことん一緒に話し合ってくれます。……スタッフはかなり苦労していると思いますけどね(笑)」

 スタッフは現在、約10名で、利用者は1日平均15名。法定人員をはるかに上回る1.5人に1人という配置は、「高品質のサービスをとの思いからです」。

 介護保険制度導入から5年目にあたる今年。介護保険制度の改革関連法案が、現在開会中の通常国会に提出されます。
身体機能が低下する要因として、意欲の欠乏も指摘されています。要介護状態にならないための予防は大切ですが、本人のやる気が何よりも重要です。意欲を引き出すための“心”の支援も欠かせないポイントになるのではないでしょうか。



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